大山北壁 幻のカンテ、中ノ沢~滝沢リッジ

現役交流

平成9年理学部卒 真達 慶次郎

山行概要

日時:2026年2月28日~3月1日

メンバー:真達 慶次郎、大井 裕介、 ほか学生4名

行程:

  • 28日:駐車場(10:10)→元谷小屋(11:05)→幻のカンテ取付き(13:10)→稜線(15:55)→元谷小屋(17:10)
  • 1日:元谷小屋(6:25)→中ノ沢取付き(7:20)→稜線(11:50)→剣ヶ峰(12:25)→弥山(13:10)→駐車場前のラーメン屋(15:10)

概念図

記録

島根県へ転勤中の大井の呼びかけで、今年も大山北壁へ行ってきました。

今回は私と大井の他に学生4人(3年:菅原、堀、1年:笹木、湯本)も加わり、昨年、雨で登れなかったルートのリベンジと学生との交流を楽しんできました。

初っぱなからアクシデント!?

夜、職場から脱出するのに、あまり人に見られないよう遅い時間に出たのですが、駅で酔っぱらった同僚とバッタリ。

ドデカいザックを見られ、

「趣味があるっていいですねー!」

「僕も趣味を見つけたいと思います!」

「山じゃないですけどね。。(笑)」

などと絡まれながら東京駅へ向かいました。

せっかくなのでザックを背負ってもらい記念?撮影。

酔っ払いと別れ、無事に夜行列車に乗って、

さよなら東京、行ってきます!

翌朝、岡山あたりで明るくなった時は、すごくいい天気でしたが、

山陰に抜けると雨・・

大山はガスの中です。

米子駅で大井に迎えに来てもらい、

駐車場で学生と合流。

駐車場では雨でしたので、しばらく様子を見ていたら、雨は上がったのでいざ出発です。

元谷小屋に到着。

今日は学生チームは初心者向きルートの弥山西稜、OBチームは最難ルートの幻のカンテへ行くことに、

幻のカンテはどの記録を見てもそれなりに時間が掛かっており、出発が遅くなったので、学生へは、

「たぶん真っ暗になるまで登っているから、先にメシ食ってて、」

と伝えて出発しました。

ガスで何も見えずGPS頼りで取付きへ。

1P目の感じ、

ではビレイよろしく!

このルートは、技術的な難しさより、確実なプロテクションが取れない中、いかにボロボロの壁をこなすかで、慎重に登りました。

大井から、

「ロープ半分!」

のコールが聞こえたところにテラスがあり、アンカーが作れそうだったので、少し早いですが、ピッチを切りました。

2P目も同じような感じで、大井は1P目のフォローで落ちていたこともあり、自分がリードかな?と思っていましたが、大井に聞いたら、

「リードします!」

とのこと。

まともなプロテクションが取れず、ヒヤヒヤしながらビレイをしていましたが、大井は時間をかけながらも確実に登って行き、姿が見えなくなって、しばらくしてから、

「ビレイ解除!」

のコールが。

よく頑張りました!

長時間の吹きっさらしでのビレイで体はカチンコチン・・

体を温めるべく、2P目のフォローは急いで登り、

3P目もボロボロな感じは相変わらずなものの、傾斜は落ち着いていたので、そのままダッシュでリードしました。

4P目は大井にお任せ。

後はコンテで稜線を目指しました。

稜線に抜けました。

暗くなるまで登ることを覚悟していましたが、思いのほか早く抜けられました。

でも、北風が冷たいので、山頂はパスして早々に下山。

6合目の避難小屋前で休憩して、出発しようとしたとき、後ろからインディアンコールが・・

学生チームと合流しました!

弥山西稜は3年生、1年生の2人1組で、ずっとコンテで登ったそうです。

一緒に元谷小屋を目指して下山していると、

突然、ばーっと晴れて登ってきたラインが!

明日は期待できそうです。

小屋の中にテントを張って晩ご飯。

準備は全て学生にやっていただきました。

ありがとう、美味しかったです!

翌朝。

期待どおりの快晴!

今日は3年生コンビは天狗沢へ。

大井と1年生2人を預かって、初心者が登れて、適度にやりがいがありそうなルートを探し、

で、壁を眺めて、いろいろなラインを観察した結果、中ノ沢へ。

大井は笹木と組んで、

私は湯本と組むことに。

まずは雪壁。

12月の雪訓で散々やったスタンディングアックスビレイを実践しながら登りました。

雪訓と違って、傾斜があり、雪面も硬いですが、2人とも上手くこなしていました。

去年も思ったのですが、大山北壁は細かい落石、落氷がひっきりなしで、これだけがちょっと心配。

大事な1年生に何かあってはならないので、昨日よりドキドキしてしまいました。

なるべく落石、落氷を避けたラインで、

雪壁を何ピッチも登り、

その後、右の滝沢リッジに上がりました。

大井ー笹木組は常にお隣。

最後のウイニングロードは、

湯本にリードを頼みました。

稜線に出ると天狗沢組と合流!

先に登って、待っていてくれました。

全員で冬しか行くことができない、最高峰の剣ヶ峰へ。

剣ヶ峰。

山頂で居合わせた方に記念写真を撮っていただきました。

で、この後、最後から2番目を歩いていた湯本が雪面を踏み抜き、どうにも足が抜けない・・

みんなは気づかず先に行ってしまい、最後を歩いていた私だけでピッケルで足を掘り出し、掘り出し・・でも、掘れば掘るほど沈んで埋まっていく感じで、ついには通りがかりの方にスコップまでお借りして、何とか掘り出しました。

「お騒がせしてゴメンなさい。」

の湯本(笑)

そんな珍事もありながら、夏の山頂を目指して下山?

一応の山頂?でも記念撮影。

あとは日本海を眺めながら、のんびり下山。

ここからは昨日も通っていますが、今日は快晴で風もなく、暖かく、穏やかでありがたいです。

登ってきた北壁をバックに。

ここでアイゼンやハーネスを外し、

尻セードで一気に下山。

1年生の2人は、今日一番の笑顔だったね。(笑)

登山口に戻り、ご当地ラーメンの牛骨ラーメンを学生におごって、学生とはここでお別れ。

空港までは大井に送ってもらいました。

米子空港を飛び立ち、上空からの大山。

最後、大山に見送っていただいた気分でした。

2日間、ありがとうございました!

まとめ

大井に誘われての2年連続の大山北壁。

今回は学生も加わって、楽しい2日間を過ごさせてもらいました。

3年生の菅原と堀は、昨シーズン、何度か冬季クライミングの特訓に連れ出した2人、今回はロープを組むことはありませんでしたが、2人で堂々と天狗沢を登攀し、一段と逞しく、頼もしい上級生に成長していること感じました。今の山岳部は3年生で部活動は引退とのことですが、2人とも本当に山が好きな感じが伝わり、4年生になっても登山を続けてくれるものと思います。これからも3年間の経験を後輩に伝え、そして、また一緒に登ってもらえると嬉しいです。

1年生の笹木、湯本は初めてのアルパインクライミングで、もしかしたら、今回、こんなことをさせられるとは思っていなかったかも知れません。それでも、それなりに傾斜や高度感がある場面で、2人とも全く怖がる様子はなく、しっかりした動きで、安心して見ていられました。今回のような登山を本人たちが、或いは今の山岳部のメンバーが望んでいるのか分かりませんが、一つステップアップした経験を積んだことは間違いありません。4月になれば新入部員が入って来ることと思います。これからは先輩として山岳部を支え、登山を楽しんで欲しいと思っており、今回の経験が少しでもその役に立てばいいなと思います。

大井は、大山北壁での最後の宿題だったらしい幻のカンテを登り、また、この3月で島根県への転勤は任期満了とのことで、もしかしたら大山北壁の企画は今回で最後かも知れません。大山はコンパクトながら、岩と雪のコントラストが美しいスッキリした山で、低山ながら3000m峰に負けない雰囲気があります。また、いつの日か冬の北壁でのクライミングはもちろん、新緑の春や紅葉の秋にのんびりハイキングにでも訪れてみたいと思いました。

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