現役交流
平成9年理学部卒 真達 慶次郎
山行概要
日時:2025年2月15日~16日
メンバー:真達 慶次郎 ほか学生2名
行程:
- 1日:美濃戸口(7:00)→赤岳鉱泉(9:55)→大同心大滝(10:30~16:30)→赤岳鉱泉(16:50)
- 2日:赤岳鉱泉(5:55)→大同心大滝(6:30)→小同心取付き(9:30)→横岳(12:15)→美濃戸口(16:25)
記録
学生へのアルパインクライミングの特訓の第2弾として、先月に続き、八ヶ岳へ行ってきました。
前回はアイスクライミングの基本的な練習と易しいバリエーションルートを経験させたので、今回は少しレベルを上げて、初日のアイスクライミングは大同心大滝でバーチカルアイスを登る練習。2日目は再び大同心大滝を登って、そのまま小同心から横岳を目指すルートとしました。
今回も参加者は堀と菅原の2人です。
聞けば来週火曜から、つまり中1日で山岳部の南アルプス山行があるそうです。
元気というか、凄いモチベーションというか、期待に応えられるよう頑張らねば。
今回のベースは赤岳鉱泉。
山小屋の賑わいとは対照的にテン場は静かでした。
テントを張って大同心大滝へ向かいます。
本日は高気圧に覆われ、無風快晴。
絶好の登山日和です!
早速、トップロープを張りに行くスパルタコーチ。(笑)
左端は2人組が登っていらしたので、ど真ん中を登らせてもらいました。
2人組は1回だけ登ってすぐに帰られ、あとは貸し切り。
前回の南沢大滝も貸し切りで、アイスクライミングって一時流行っていた気がしましたが、ブームは去ったのかな?
まー、見た目は映えますが、登りは単調ですから。
早速、菅原から。
若月のと、徳永さんからもアックスを借りてきたので、今回は1人1セット。
お二人共ありがとうございます!
前回、教えた基本を意識してもらいながら登ってもらいました。
たまに不意落ちするものの、若月からアイスクライミング用のアイゼンを借りてきて、さらに安定した登り。
さすが前回、初のアイスクライミングで南沢小滝をリードしただけあります。
堀にはリードを意識して、スクリューを打ちながらも登ってもらいました。
負けじと菅原もラインを変えて。
下から色々とうるさく声を掛け、何度も落ちながらも練習してもらいました。
菅原は垂直になると、かかとを落とした蹴り込みがうまくできないそうで、氷の下部でアックスを決めたら、しっかりアックスなぶら下がって腰を突き出して蹴るコツを教えました。
午後から日差しで氷が軟らかくなり、登りやすくなったこともあり、堀はリードに挑戦!
途中、スクリューを落とすミスはありましたが、落ち着いた安定感のある登りでした。
完登!
アイスクライミング2回目で大同心大滝を登ってしまいました。凄い!!
本人も、
「アイスクライミングのコツをつかみました!」
とのこと、よい指導者?に出会えてよかったねー。(笑)
アイスクライミングは傾斜が緩いと極端に易しく、垂直になると急に難しくなります。
なので、これは私の持論ですが、易しいところを何回登ってもなかなか上手くはならず、垂直の氷をガンガン登るのが、上達への近道だと思っています。
いきなり大同心大滝は少々ハードだったかも知れませんが、2人ともよく頑張りました。
晩飯は肉と野菜たっぷりの鍋。
焼酎をちびちび飲みながら、明日のこと、次回の計画のこと、山岳部のこれからのことなどをダラダラと話しました。
翌朝。
昨夜トイレに行ったときは、星空が奇麗でしたが、残念な天気。。
朝は氷が硬く、荷物を背負って登るので、リードは任せてください
2番手は堀。
上部でアックスが抜け、不意落ちはありましたが、安定した登り。
続いて菅原。
先は長いので上からガンガンロープで引っ張り、補助しながら登ってもらいました。
ここからはコンテ。
しばらく登ると小同心を目指す5人が大同心稜からトラバースしてきて合流。
小同心へのトラバースはもっと上では?と思いましたが、「お先にどうぞ、」との声かけに釣られて、そこからトラバースしてしまいました。
途中で間違いに気づきましたが、このまま小同心を目指そうと、小同心下の岩稜に取り付きました。
なかなか登りがいのある岩稜で面白く、間違えて結果オーライかな?
小同心基部に到着。
ガスが取れて一気に青空が広がりました。
1ピッチ目は私がリード。
ここは初心者向きの人気ルートで、岩は安定しており、気持ちよくガシガシ登りました。
2ピッチ目は堀から、
「リードしたいです!」
との申し出があり、心意気を買って任せました。
で、私の真似をして残置のピトンを無視して登るのはいいのですが、ピッチを切る場所とアンカー作り方があまりよくなく、焦ってしまったか、ビレイ器も落としてしまいました。
まだまだ経験が必要かな?
最終ピッチは再び任せてもらい、小同心を抜けました。
小同心の頭に立つ菅原。
冬季クライミングはビレイが寒くてある意味核心なのですが、ここは日差しが暖かい!
遠くに北アルプスの山々。
左から穂高、槍、立山、剱、鹿島槍に白馬など学生に山々の解説をしました。
次回、3月の特訓は北アルプスまで行きますか?
下降は大同心稜から。
懸垂下降したロープが岩に引っかかって回収できず、登り直したり、小同心の基部に戻って、落としたビレイ器を回収しながら下山。
まとめ
こんなに密にアルパインクライミングを指導するのは初めてで、ちょっと初心者にはハードな内容だったかも知れませんが、よく頑張ってくれました。2人とも元気で前向きで、一緒に登っていて楽しかったです。いずれは自立して、対等なパートナーとして一緒に登れる日が来ることを願っています。
さて、次回はどこに行きましょう?
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