南アルプス 聖沢

沢登り

令和2年工学部卒 若月 稜斗

山行概要

日時: 2023年9月16日~18日

メンバー: 大井(CL)、高田、若月

行程:

  • 16日: 沼平ゲート(4:15)→聖沢登山口(7:05)→聖沢吊り橋[入渓点](8:00)→1820m二俣(13:40)
  • 17日: 幕営地(7:30)→2150m地点(13:50)
  • 18日: 幕営地(6:05)→2160m二俣(6:15)→聖沢登山口(9:00)→沼平ゲート(12:00)

概念図

記録

山岳部の同期3人で、南アルプスの「聖沢」を遡行してきました。

聖岳に突き上げると聞くと面白そうですが、

・アプローチが長い

・源頭に山小屋

・隣に超有名な赤石沢

・登山体系では「緊張感がない/平凡」と酷評

等の理由で、訪れる人も稀な不人気沢です(笑)

山頂までは行けませんでしたが、中流域もなかなかに手強く、充実の遡行となりました!

9月16日(晴れ)

沼平に集合し、まずは3時間の林道から。

社会人になったらバスか自転車を使うものと思っていましたが、学生時代と相も変わらず歩きました。

登山道を一登りして、聖沢吊り橋から入渓。

睡眠不足に4時間の歩きが堪え、3人とも入渓前から疲れ気味…

それでも不思議なもので、沢に入ると少しづつ元気に。

間もなく取水施設手前の難所。

水線はハング、側壁も立っていて、最初どこを登るの?と思ってしまいました。

左壁を大井リードで突破。

最後の乗越しがスリリングで、眠気も完全に吹き飛びました。

取水施設を越えると、今度は大滝。

とても登れるような代物ではないので、左岸から巻き。

楽しく枝沢を1ピッチ登り、その上から樹林帯へ。

樹林帯を巻きますが、奥も連瀑でなかなか沢に戻れず。

途中の支沢で一休み。

迷路のような巻きでしたが、しっかり話し合いながら前進できました。

連瀑が緩んだところで懸垂下降で沢に復帰。

(゚д゚ )!?

その後もなかなか美しい渓相。

赤石沢同様、赤い岩が目立ちました。

黒い雲が出てきたので、少し早いですが14時前には行動終了。

幸い大きな夕立はありませんでした。

9月17日(晴れ)

翌朝。

前日の睡眠不足もあり、ゆっくり6:00起き。

2日目も良い天気。

しばらくは平和な河原歩き。

アルプスの沢らしい景色。良いですね~

やがて大岩が挟まった滝。

登るなら滝の右壁でしたが、難しそうなので戻って高巻き。

岩壁が発達していて思った方向に進めず、結構巻き上げられました。

右岸をトラバースしていくと、クラックの大滝。

直登可能と判断して、ここで沢に戻りました。

登攀は左のクラックから。

岩が脆い所もありましたが、麟太郎が落ち着いてクリア。

こんな立派な滝が登れるなんて!

自然が生み出した素晴らしいラインに感謝です。

引き続きゴルジュ帯を進むと、

再び滝。

ロープ無しで取り付きましたが、上部が予想外に悪く、途中からロープを出すことに。

後続をビレイする大井。

現役の頃は危なっかしい感じでしたが、大阪「蛍雪山岳会」に入会して3年。

すっかり頼もしくなり、本山行でもたくさん助けてもらいました。

続く滝はヌメる左壁から突破。

その先は進めず、小さく左岸巻き。

この高巻き中、麟太郎が落石で足を負傷するトラブルが。

大きな石なので心配しましたが、幸い何とか自力で歩けたので、様子を見ながらそのまま進むことに。

さらに進むと深~いゴルジュ。

寒い…

幸いゴルジュの中に滝は無く、すんなり通過できました。

ゴルジュを抜けたところで早めに幕営。

麟太郎の足の状態も気になるし、あまり小屋や登山道に近づくと何を言われるか分からないので。

9月18日(晴れ)

3日目。

本流から聖岳山頂を目指す予定でしたが…

麟太郎は足がかなり痛むようなので、登山道から下山することに。

二俣を左に入るとすぐに登山道。

落石は不運でしたが、自力下山できて良かった。

上流域もまた計画しましょう!

まとめ

終始忙しくロープを出し入れする、内容の濃い沢でした。

沢グレード3級上くらい?に感じたので、登山体系を真に受けない方が良いと思います。

また、落石負傷に関しては、パーティ内で誘発した落石が後続に当たった形なので、反省が必要です。 ただし、落ちたのは草付きの下に埋まっていた石で、浮石を察知するのは難しかったと思います。

沢も山も楽しいけれど、危険と隣合わせの遊び。 そのことを忘れずに、謙虚に自然を楽しみたいですね。

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