八ヶ岳 大同心大滝~雲稜ルート【敗退】

冬季登攀

令和2年工学部卒 若月稜斗

山行概要

日時:2023/12/24

メンバー:真達(CL),若月

行程:

  • 美濃戸口[4:20]→大同心大滝取付[7:00]→雲稜ルート取付[9:15]→4P目終了点[14:00]→美濃戸口[16:20]

記録

年末のトレーニング山行として、真達さんと八ヶ岳に行ってきました。

大同心大滝から雲稜ルートを継続するという攻撃的な計画で、行く前から自分はドキドキ。

結果は雲稜ルートの途中で自分が疲れ果ててしまい、無念の途中敗退となってしまいました…

少し情けない記録ではありますが、リベンジへの願いも込めて報告します。

長い一日になるので、4:20に美濃戸口発。

暗いうちから歩き始めました。

途中道に迷ったりしながら、6時前に赤岳鉱泉に到着。

小休止を入れて、大同心ルンゼへ向かいました。

大同心ルンゼに入るとうっすら明るく。

小さな滝を越えつつ大同心大滝を目指しました。

すぐ後ろから後続が来ていますが、少しの差で一番乗り。

間もなく大同心大滝。

リードするつもりでしたが、いざ実物見ると自信が無くなり…

真達さんリードで突破。

シーズン初めに軽々登ってしまうのはさすがです!

フォローする若月。

必死でバイルを振り、何とか落ちずにフォローしました。

大滝の上にF2

ここは易しいので確保無しで。

続くF3

左上に大迫力の大同心を見上げながら、ルンゼを詰め上がりました。

大同心の基部をトラバースして、雲稜ルートの取り付きへ。

そして見上げる雲稜ルート1P目。

一瞬リードしてみようかと思いましたが、真達さんの雰囲気からただならぬ気配を察して交代。

1P目を登る真達さん。

ハング越えは大変そうでしたが、アクロバティックなドライツーリングで登り切りました(すごい!)

1P目をフォローする若月。

リードすると言った手前、せめてフォローでは落ちたくないと思い力を振り絞りましたが、ハング越えでテンション…

素手のクライミングとは全く違うことを痛感ながら、クタクタになって1P目の終了点へ。

続く2P目をリードする真達さん。

「悪い、プロテクションが取れない」と言いながらもジリジリ前進し、見事突破。

2P目をフォローする若月。

見かけ以上に難しいうえ、プロテクションも頼りない物ばかり。

こんな所をリードするなんて信じられないと思いながら、必死に壁にしがみついて登りました。

続く3P目をフォローする若月。

トポ的には1,2P目より易しいですが、ここもいやらしかった。

不安定な草付きに神経をすり減らしながら、だましだまし登りました。

4P目はほぼ歩くだけなので若月リードで。

易しいピッチなのですが、慣れない冬壁登攀の疲労からか、頭がボーっとしてしまい、時間をかけてしまいました。

そして雪がべったり付いて、すごく難しそうな5P目

「マジか…」と思ってカンテの裏側を見ると、何と歩いて帰れるではないか!!

「もう帰りたいです、、ゴメンナサイ、、」

真達さんに泣きを入れる若月。

真達さんまだ元気そうでしたが(!)

自分が本当に消耗していたのを感じてか、下山をOKしてくれました。

下降路はこんな感じ。

大同心と小同心の間を通って、笑っちゃうくらい簡単に取り付きへ戻れました。

最後に記念撮影。

登れなかったと思うと、背後の大同心がより大きく、遠い存在に感じられました。

帰りは大同心稜から。

暗くなる前に美濃戸口まで戻れました(完)

まとめ

真達さんには申し訳ない気持ちでいっぱいですが、自分にとっては冬山1シーズンに匹敵するような、大充実の1日でした。

特に印象的だったのは雲稜ルートの2P目。恐怖心と闘いながら、ジリジリと前進する真達さんの姿は、クライマーとはこう在るべきだと背中で語っていたように感じます。

自分もいつかはあんな風に…とは今は思えませんが、人間は練習次第で結構変わるもの。少しづつレベルを上げて、リベンジしたいと思います。(若月)

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